私は山に入ると「面白い木」を探します。「面白い木」とは色や形が普通じゃない木ではありません。私に何かを強く訴えてくる様な「力のある木」のことです。

私はそういった木を集めると、常に自分の目が届く範囲に並べておきます。木が目に入るたびに、その木をどこでどの様に使うかを想像するのは、私の楽しみの一つでもあるのです。これらの木は、決して銘木でもなければ建築用の木でもなく、自然の中であるがままに育ったものばかりです。だからこそこの木は自然に力を蓄え、その存在感を人に訴えかけてくるのだと思います。

こういった「面白い木」を使って建築する場合、この木が持つ自然な美しさをいかに活かしきるかがポイントになります。大工としての技術はもちろんですが、木を読む「目」が何よりも重要です。いかに木の個性を出しきるか。これが、私たち大工の腕が試されるところなのです。

私は、自然の材料の声にしたがってデザインしていきます。木と会話し共に作り出したデザインには、全く無理がありません。無理のないデザインにこそ、普遍的な美しさが宿ると私は考えています。

 

デザインの考え方